ロンドンに拠点を置く不動産コンサルティング会社、Cityscape Digital も、リアルタイムのイノベーションで都市計画マスター プランの策定に変化をもたらしている先進的な企業の 1 つです。イギリスの市場に重点を置く Cityscape Digital は、デベロッパーが関係者や地域のコミュニティとつながることを支援する、計画策定の初期段階のためのツールを作成しています。
コンセプトを具体化して示す前の段階に取り組むほかの企業と同様に、Cityscape Digital にとっての主な課題は構想の設計を現実のものにすることです。Cityscape Digital のツールは、構想から完成まで、開発における建設の様子を関係者が視覚的に理解できるようにします。デベロッパーが投資家を引きつけ、管轄官庁、潜在的な借り手、地域のコミュニティと効果的につながるには、マスター プランの規模と複雑さ、そして時間に伴う変化を理解できるようにすることが不可欠です。
Image courtesy of Cityscape Digital
そういった課題を克服する必要があったデベロッパーの 1 つが、Cityscape Digital の顧客である British Land です。British Land は、ロンドン南東部にあるロザーハイズ半島で、40 億ポンド (約 6,400 億円) 規模のカナダ ウォーターの再開発に取り組んでいました。53 エーカーにおよぶそのプロジェクトでは、歴史的にテムズ川につながる波止場と水路のネットワークであった地域に、新しい都市のハブを作ることになっています。40 の建物を新たに作り、娯楽と文化的活動のための空間は 5 万 1,000 平方メートルにおよびます。カナダ ウォーターの開発のマスター プランは、Allies and Morrison によって策定されました。サザーク議会の協力のもと、British Land の Roger Madelin 氏が計画を主導しました。
Cityscape Digital のシニア コンサルタント、David Munro 氏は次のように述べています。「Unreal Engine のおかげで、Cityscape Digital は、柔軟性に優れたツールと、視覚的なものやインタラクティブなものなど多様な資料を作ることができました。British Land はそれらを利用して、以前にはできなかった形で関係者とつながることができています。Unreal Engine を使えば、複雑なデータ セットを取得し、それをわかりやすい形で示すことで、柔軟性に優れた効果的なやり取りを促進できます。私たちが開発したフェージング ツールはその好例と言えます」
Image courtesy of Cityscape Digital
従来の 2D レンダリングに依存するのではなく、リアルタイムのアプローチをとることで、Cityscape Digital はリアルなビジュアライゼーションを提供し、イマーシブで信憑性の高いエクスペリエンスによって、複雑な計画に対する理解を深めることができています。Munro 氏は次のように述べています。「ここでは人間の視点が重要です。インタラクティビティを取り入れることで、リアルタイム テクノロジーを活かしたスピーディなイテレーションと意思決定が可能になり、より幅広いエンゲージメントを実現できます。カナダ ウォーターのプロジェクトのコンセプトを具体化して示す前の段階で成功を収めるには、従来の 2D の図面やレポートから離れることが不可欠でした」
British Land でカナダ ウォーターのマーケティングの責任者を務める Alexandra Maclean 氏は次のように述べています。「物理的なモデルで構想の全体像を確認できますし、現場に行って建設の進捗を実際に確認することもできますが、開発の途中の任意の時点である場所がどのような状態になっているか、潜在的な入居者や買い手に理解してもらうことができる必要がありました。そういった人たちが移ってくる時点で、何が取り壊されていて、何が建設中で、何が完成しているかわかる必要があったのです。Cityscape が開発してくれたフェージング ツールによってその問題が解決されました。このツールは、私たちが持つビジュアライゼーション ツールの包括的なスイートのなかでも重要なものとなっています。さらに、更新しやすいものでもあるため、開発プログラムの変化に容易に対応できます。これは革新的なツールです」