2019年3月6日
全面的なバーチャル プロダクション:MR Factory による高速でクリエイティブな映像制作
マドリードに拠点を置く制作会社、MR Factory は、標準的なメディア企業ではありません。キヤノンや M&C Saatchi など、堂々たるクライアントを抱え、昔ながらのプロダクション チームをバーチャル プロダクション技術の信奉者へと変えています。
従来の映像はロケを行って撮影するのが一般的でしたが、MR Factory は、ロケでの撮影をスキップしてスタジオで撮影するほうがより良い結果を迅速に上げることができるとクライアントに説明しています。グリーン スクリーンを使ったリアルタイム 3D バックグラウンドを利用することで、MR Factory では、ポスト プロセスを必要としない映像を 1 日に 10 分以上完成させることが珍しくありません。これは映像制作の世界では驚くべき離れ業です。 MR Factory のシステムは、Brainstorm と Epic Games のテクノロジーを利用しています。その中心となっているのは、Brainstorm のリアルタイム 3D グラフィックスおよびバーチャル スタジオ エンジン eStudio と、高品質の 3D 背景を作り出す Unreal Engine です。
Brainstorm のマーケティングおよびコミュニケーション担当ディレクター、Miguel Churruca 氏は、「eStudio レンダリング エンジンには長い歴史があります」と述べています。Brainstorm は、放送向けグラフィックスと映画制作の分野で約 25 年におよぶ経験を有しています。「eStudio は、グラフィックス、3D、トラッキングなどのための多数のツールがあります。また、Unreal Engine が非常に優れた品質の 3D の背景をもたらしてくれます」と Churruca 氏は述べています。
Brainstorm は、MR Factory が 2 つの製品を連携させて円滑なパイプラインを作り出し、スタジオでのグリーン スクリーンを使った撮影にかかる時間とコストを削減できるように支援しました。そのセットアップはあらゆる種類の映画や映像のプロジェクトに利用でき、長回しやフォロー ショットを使う長編映画にも対応します。
Churruca 氏によると、以前はフォトリアルでバーチャルな背景の作成には長い時間がかかり、制限もありました。Churruca 氏は、「しかし、Unreal Engine を使うことで、制限を克服できるようになりました」と述べ、さらに UE4 のメリットとして「柔軟性、カメラの動き、照明など、あらゆる面を改善」できることを挙げています。
また、非常に恐れられていた「ポスト プロダクションで修正」というフレーズが使われなくなる、と Churruca 氏は付け加えます。「撮影の時点、ポストプロダクションの前ですべてが決まります。フレーミング、カメラのトラッキングが正確で、動きも正確で、ライティングも正確です」と Churruca 氏は述べています。
しかし、バーチャル プロダクションの技術は、時間を節約したり、ポストプロダクションを不要にしたりするためだけのものではありません。最終的な結果をスタジオにいながらにして見られることで、監督やクリエイティブの担当者は、より自由に、希望するとおりに映像を作成できるようになります。
MR Factory の共同創業者、Oscar M. Olarte 氏は、「監督の望むものを与えることが私たちの目標です」と述べ、プロダクション プロセスの高速化がコスト削減とクリエイティビティの向上につながっていると付け加えています。
多くのプロダクション チームはまだその概念に慣れていませんが、グリーン スクリーンを使ったリアルタイム プロダクションは、プロダクションを高速化してクリエイティビティを発揮する機会を増やすという価値をもたらします。この価値は、映像制作の分野に影響を与えることになるでしょう。
Churruca 氏は次のように述べています。「スタジオの外で撮影した映像と見分けがつかない完成したコンテンツをグリーン スクリーンを使ってリアルタイムで作成できるということを、多くのお客様がまだ信じていません。バーチャルプロダクションは、コンテンツの作成方法を今まさに変革しています」
3D の背景を持つグリーン スクリーンのスタジオを作成したいという方は、Unreal Engine をダウンロードすれば、すぐに始めることができます。